設計シミュレーション

伝送線路

一筆書き配線時の波形

今回は1対多のBUS信号などを一筆書き配線している信号について、配線長の違いで波形がどのように変化するか波形シミュレーションで確認してみます。
レシーバが多くぶら下がっている信号は波形が乱れます。

イメージ図のようにドライバからレシーバ2つに配線を分岐せずに一筆で配線してある状態です。
1対多のBUS信号などのパターン設計時は、このような配線になっていることが多いかと思います。
負荷は同じもの(今回は22Ω)で確認していきます。

 

イメージ

 

 

レシーバ間の距離が[3cm]の場合

 

IC2側、IC3側とも同じような波形になっていますが、オーバーシュートとリンギングが発生しています。

 

●レシーバ間の距離を[6cm]へ長くした場合

オーバーシュートとリンギングがさらに大きくなりました。また、IC2側のエッジに段付きの兆候がみられました。

 

●レシーバ間の距離を[1cm]へ短くした場合

オーバーシュートとリンギングが小さくなりました。

 

●ダンピング抵抗を適正な値へ変更 (レシーバ間の距離は[1cm]のまま)

ダンピング抵抗の値を適正な値(今回は33Ω)変へ更することで、波形が良くなりました。

 

以上のことから、一筆書き配線では、レシーバ間の距離が短いほうが波形が良いことが確認できました。

プリント配線板のパターン設計時の一筆書き配線は、パターン設計作業としては配線しやすいですが、あまり長くならないように配線することがノイズ対策となります。

一筆書き配線が多くなると、パターン配線が長くなる要因の一つとなりますのでレシーバが3つの場合や高速信号の場合は、事前にシミュレーションを行いパターン配線の進め方を検討しておくことをお勧めします。

 

 

 

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