GND関係

コンデンサのtanδに関して | ノイズ対策.com

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コンデンサのtanδに関して


tanδ(誘導正接)は、

コンデンサの性能を表す特性で重要な要素の一つです。


tanδはコンデンサ内部で消費されるエネルギーを表す特性の一つで、

所定周波数の正弦波電圧で生じる電力損失を無効電力で割り計算され

誘電損失とも呼ばれます。


この損失は、

理想的なコンデサであれば交流電圧を印加した場合、

電流の位相は90度進みますからコンデンサ内での電力はゼロで

損失がありませんが、

実際のコンデンサは下図のような等価回路となっております。



誘導正接1.png



この場合、

誘電体に加えた電界が時間的に変化した場合、

誘電体の抵抗成分(ESR)によって電束密度変化が遅れます。


この遅れによって電流の位相は δ だけ遅れます。


誘導正接2.png



この遅れによって電圧と電流の位相差が90度でなくなる為、

コンデンサ内での電力損失が発生します。


この損失を誘電損失といい δ を損失角といい、

損失角δの正接を誘導正接 tanδと表します。


実際には等価直列抵抗(ESR)による損失、

等価直列インダクタンス(ESLイ)による損失などの

損失の全てを含めてtanδで表します。


この値が小さいほど、

損失による発熱等の少ない優秀なコンデサといえます。


等価回路のコンデンサの容量成分C以外の成分、

ESRとESLは誘電体や電極などの損失による抵抗分(ESR)と、

電極やリード線などによる寄生インダクタンス分(ESL)となります。


また、

アルミ電解コンデンサは電解液の抵抗分と電解紙の抵抗分と

その他の接触抵抗分等があるため等価直列抵抗分(ESR)は

大きくなります。


データシートによっては損失係数(D)で表す場合もあり、

関係は下記のようになります。



  損失係数D = tanδ = ωCR



各コンデンサのtanδは電解コンデンサが大きく

温度補償用セラミックコンデンサやマイカが小さくなります。

 



コンデンサの機能とノイズ対策 | ノイズ対策.com

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コンデンサの機能とノイズ対策

ノイズ対策で重要な役割をする部品の一つにコンデンサがあります。

コンデンサの機能とそれがどうノイズ対策に活用されるのかを解説します。

1. 3つの機能

コンデンサの機能は3つあります。

この機能を理解するとノイズ対策が楽になります。

・バックアップ機能
 コンデンサに溜まった電荷を補充することで電圧を一定に保つ

・デカップリング機能
 コンデンサに充放電することで、交流成分を減衰させる

・カップリング機能
 コンデンサの電極に電圧をかけることで、交流成分のみ伝え直流成分をカットする。


【コンデンサ機能による波形への影響】 

 コンデンサの機能とノイズ対策.png

2. 機能と用途

 コンデンサの用途によって重視される機能が異なります。

 重視される機能を理解すると用途に合わせたコンデンサを
 選択しやすくなります。

・バイパスコンデンサ(パスコン)
 バックアップ機能とデカップリング機能が重視されます。
 
 デバイス(負荷)が動作すると電流が流れます。

 すると電源の電荷が不足し、
 デバイス電源ピン付近で電圧ドロップが発生します。

 この電圧ドロップを補うためにバックアップ機能を使います。
 
 全ての電子デバイスはスイッチ(トランジスタなど)の塊であり、
 スイッチが動作する際にスイッチの変化スピードを基本周波数する
 高調波ノイズが発生します。
 
 高調波ノイズが周辺回路に影響しない様にデカップリング機能を
 使います。

・カップリングコンデンサ
 2つの電源系統で信号をやり取りする際に、
 DC成分をカットしてアイソレーションします。

 カップリング機能を使用しています。

 カップリングコンデンサがノイズ対策にどう貢献するかについて
 補足します。

 ・異なる電源間を跨ぐ際に信号線のノイズをキャンセルする
  多くのシステムは複数の電源を持っています。

  2電源を跨ぐ信号は、送信側と受信側の電源電圧が全く同じで、
  且つグランドの電圧降下もほぼ無しにすることはほぼ不可能です。

  DC成分キャンセルすることで信号線に電源間の段差が移ることを
  防ぎます。

 ・異なる電源間のノイズが結び付くのを防ぐ
  バイパスコンデンサ説明した様に、電子デバイスが動作すると
  絶え間なく電圧ドロップと高調波ノイズが発生します。

  これらのノイズをバイパスコンデンサが軽減しますが、
  完全に無くせる訳では無く、電圧ドロップは消費された電荷を
  電源が補充して初めて解消されます。

  異なる電源間を通信する信号線の全てグランドを共通化してしまうと、
  電圧ドロップや高調波ノイズが合わさってしまいます。

  また、悪いことにノイズ成分は1+1=2でな無く、
  共通インピーダンスや共振で1+1=4に成ってしまいます。

  カップリングコンデンサを上手く使えばノイズの合流を防ぐことが
  出来ます。

3. 機能と特性

 コンデンサには様々な種類がありますが、3つの機能を如何にして
 強化するか思考錯誤が繰り返された結果です。
 
 コンデンサの特性パタメータと機能の関係ついて少し触れます。

・容量
 同じ種類・構造のコンデンサなら容量が大きいほど
 バックアップ機能が高くなります。

 デカップリング機能を活かしフィルタを構成する際には、
 フィルタの時定数に合わせて調整が必要になります。

 デカップリング機能,カップリング機能に共通しているのは
 容量に比例した遅延回路であることに注意が必要です。

 また、周波数によって通過する際の遅延が異なります。

・等価直列抵抗(ESR) 実際のコンデンサを等価回路に分解すると、
 直列にR-L-Cの回路で表現されます。

 等価直列抵抗(ESR)は等価回路のR成分です。

 コンデンサは2つの電極間で、
 電荷を引き付け若しくは反発しあって電荷が移動します。

 移動時のストレス(抵抗)がESRです。

 従って、
 ESRが大きいと容量大きくてもバックアップ機能が強化されません。
 
 実際のコンデンサでは、電極間の距離を取り耐圧を高めると
 ESRは自然と高くなります。

・等価直列インダクタンス (ESL)
 等価回路のL成分です。  ESRが直流成分のストレスに対して、
 等価直列インダクタンス (ESL)は
 交流成分のストレス(インダクタンス)です。

 ESLが大きいと、デカップリング機能が阻害されます。

 ESLによる影響は高い周波数ほど大きくなります。 

 ESLはコンデンサの電極が持つL成分に関係し、
 大型コンデンサは自然とESLが高くなり、容量に見合った
 デカップリング能力は期待出来なくなります。



 今回は概要のみを説明させて頂きました。

 本ホームページでも今後関連する内容を掲載させて頂く予定でおります。


「SI」、「PI」とは | ノイズ対策.com

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「SI」、「PI」とは


今日までの電子機器の設計は、

色々過程を経て形と手法が日進月歩に変化してきました。

 

特に最近のプリント基板設計は、

ノイズ、信号品質の要求がますます高くなってきました。


特に

「SI」、「PI」という言葉はしばしば耳にするようになりました。

 

 

「SI」、「PI」とは何のことでしょうか。

 


簡単に説明して行きましょう。

 

「SI」というのは

英語の「Signal Integrity」から来て、

日本語では、信号の整合性と訳されています。

 

なにか分るような分らないような言葉で

困っている方がたくさんいると思います。


実は 

簡単にいうと「SI」は信号の品質、タイミング、
クロストークのことを言っているだけです。

 

では、

「PI」は何をいうのでしょうか。

 

まず、

語源は「Power Integrity」で、

内容はDC電源のドロップダウン、デカプリング、ノイズのことです。

 





GNDガード | ノイズ対策.com

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GNDガード


GNDガードとは、
信号線と同じ層の両隣にGNDパターンを這わせるもので、
主にクロストークを防止する目的で用います。

同じ層の両隣のGNDパターンが基本的なGNDガードですが、
信号線を投影した形で上下の層をGNDにしたものも垂直方向の
GNDガードと言います。

両隣と上下をGNDにしたものを4方向GNDガードとも呼びます。


近くにGNDパターンを置く事でGNDと電磁的な結合が強くなり、
それを飛び越える他のパターンへの結合、
つまりクロストークが減る事になります。

気をつけなければならない事ですが、
GNDガードのパターンが安定したGNDである必要があります。

GNDガード自体の多くは細いパターンになりますから、
内層のベタGNDと接続する事で安定させます。

パターン長さ20mm程度以下には1個のGNDビア接続が必要だと
思います。


信号入出力の末端近くのGNDガードが
GNDビアやICのGND端子との接続が出来ずに開放端になっている基板を
見かけます。

信号線の端っこまでGNDガードをきっちり沿わせたいために
そうしている場合があるようですが、とても良くないと思われます。

不安定なGNDガードは、GNDガード自体がクロストークを増大させる側に
なってしまう事があるようですので、
GNDビアが打てる所までのGNDガードにして、
その先は取り除いた方が良いです。

それが嫌ならGNDガードをなくしてスペースを空けただけの方が良いです。

また、開放端パターンはアンテナになるためEMC放射に悪影響する
不要物になります。



一点アース | ノイズ対策.com

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一点アース

前回、GND分離について書きました。

GND分離をすると必ず必要になってくるのが、
GNDどうしをどこかで接続する事です。

その場合には "一点アース" を実施する事がほとんどだと思います。


一点アースは、
共通インピーダンスを持たず他回路の電源電流変動に
自回路が影響されないための方法です。

しかし、
一点アースで GNDどうしを接続する場所の選定が悩みどころに
なって来ます。

回路電源の供給源、つまり電源回路ブロックの近くに向かった位置で
GND接続するのが良いと思いますが、基板上の各ブロックの配置によっては
デジタル回路からのノイズを拾いやすい地点になっているかも知れません。

また、
電源供給源が1箇所であれば良いですが、
電源系統が複雑な構造の場合には判断が難しくなります。

ですので、
一点アースの接続位置決定はかなりの難問になってしまうと思います。


一点アースは 100点を狙える方法だけれども、
少しでも間違うとすぐに赤点になってしまうものだと考えます。

それに比較して、ベタGNDでは 80点になってしまうが、
安定して 80点程度にする事が出来るという事です。

前回も書きましたが、不要輻射まで考慮するには
GND分離と一点アースは試行錯誤が必要になってしまう事が多く、
何度も基板試作する事が出来るのならば構いませんが、
試作回数を減らしたいのであれば全ベタGNDの方がベターだと思います。


次回は、GNDガードについて



GND分離 | ノイズ対策.com

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GND分離

基板上のアナログ回路とデジタル回路のGND分離について考えましょう。

デジタル回路の信号ノイズがアナログ回路に漏れ込むのを嫌って
DGND と AGND の2種にして分離する人が多いのではないでしょうか。

しかしながら、
最近の回路ではアナログ回路と言ってもCPUなどのデジタル回路と
信号がつながっている事が多いため、GNDを分離した場合には、
その配線のリターンパスが大きく阻害される事になります。

リターンパスを阻害するとコモンモードノイズを増大する事になって
不要輻射を増大させる事につながります。

アナログへの信号ノイズを防ぐか、不要輻射を低減させるか、
の2者選択になっているような形です。


A/D回路などはどうでしょう。

アナログ入力信号とデジタル出力信号、そしてコントロール信号、
GNDを分離した場合に ICの中まで含めて電流のリターンをきれいに
描けるGND分離が可能でしょうか。


分離する/しない のどちらが良いとは一概には言えません。

私は、デジタル回路ブロックから独立した回路構成のアナログ回路で
あれば GND分離する事もありますが、
デジタルGNDに漏れるノイズをパスコンなどで極力抑える事、
基板上でアナログとデジタルのブロックを物理的に離す事などで、
GND分離をしないで全ベタGND で対応する方がよりベターだと考えています。


次回は、一点アースについて



アナログ回路のGND | ノイズ対策.com

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アナログ回路のGND

今まではデジタル回路中心の話でしたが、
アナログ回路ではGNDをどのようにすれば良いでしょう。


アナログ回路では、
ほとんどの場合に信号の流れが回路に沿って進んで行きます。

デジタル回路のように縦横無尽に配線が接続されて、
いろいろな方向に信号が流れるのと違い、
一方向に信号が流れます。

GNDは信号の流れに沿って接続されるべきなので、
アナログ信号の(基板の)入り口から出口までが、
しっかり強固に接続されていくようにします。

アナログ信号はノイズに対して弱い信号なので、
GNDはインピーダンスが大きくならないために
しっかりとした太い配線が必要です。


隣接した別のアナログ回路からのノイズの漏れ込みを防ぐために、
GNDを分離する方法があります。

この場合は、分離と言っても別のGNDにするわけではなく、
アナログ信号の入り口や出口のGNDは接続されているが、
回路の部分で分けているということです。 

言い方を変えると、
同じアナログGNDではあるが、回路部分でGNDを通して
ノイズが漏れ込まないようにスリットを入れて分離している
ということになります。


アナログ信号レベルの高い回路部分は
しっかり分離する方が良いと思います。

ただ、むやみに分離してしまうと、
前述の "太いGND配線" を阻害してしまうため
分離の見極めが必要です。



次回は、GND分離について



両面基板のGND | ノイズ対策.com

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両面基板のGND

多層基板では、
GND強化のために、べたGNDを1層以上持つ場合が多いことを
前回書きました。

両面基板を選ぶ場合は、
配線層に2層程度必要だがコスト優先なので、
べたGND層をあきらめて両面基板にしているということだと思います。

ですから、
2層のうち1層をべたGNDにできることは、ほとんどありません。

でなければ、
コスト優先で片面基板を選ぶだろうからです。

コスト最優先でなければ
4層基板でべたGND層と電源層を内層に入れる基板構造を
お勧めします。

なぜならば、
両面基板では、べたGND層が無いことによって
ノイズやEMIに対してかなり貧弱な基板になるからです。


では、
両面基板のGNDはどのようにすれば良いでしょう。

できるだけ太く、できるだけ短く、
を考えて配置・配線をします。

電源も同様に配線するとなお良いと思います。

基板表面の空いたスペースはGNDべたで埋めて、
A-B面のGNDをビアでしっかり接続することも重要です。

高速の信号線が長い配線にならない様に
部品配置段階で考慮することが重要です。

べたGND層にはならないですが、
べたGND層によるインピーダンス低減やリターンパス確保の利点に
出来るだけ近づけるようにGNDを強化していくことで、
少しでもノイズに強い基板にしていくことが必要です。


次回は、アナログ回路のGND


リターンパス | ノイズ対策.com

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リターンパス

信号はGNDと近くで結合していることで安定します。

信号配線を流れる電流の発生する磁界と、
GNDをリターン経路として戻る電流の磁界とが、
きれいに順方向に結合する。

つまりは、
信号とGNDとのループが小さくなること、
リターンパス経路が近くで整っていること、
が良いことになります。

リターンパスが乱れるようなGNDのスリットやGND分離があると、
磁界が乱れてコモンモードノイズが発生しやすい状態になります。

このコモンモードノイズがEMIを悪化させる最大の要因だとも言われています。


ですから、
信号の隣の配線や隣接層をGNDにしてリターンパスを
正しく確保するような配線が優秀なプリント基板設計です。


しかし、
全ての信号でそれをやることはとうてい無理な話ですから、
高速信号を最優先して実施する事になります。

高速な信号になるほど信号配線の直下をリターン電流が
流れようとするそうです。

高速信号の隣接層がべたGND層になるように、
配線する層や全体の層構成を考える必要があります。

高速信号ばかりを扱うプリント基板では、
1層おきにGND層になっている基板も少なくはありません。



次回は、両面基板のGND


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