プリント基板技術者のつぶやき

大電流関係

銅箔厚を厚くする方法②

厚銅基板 設計・実装サービス

前回は、大電流基板を設計するポイントとして【銅箔厚を厚くする】方法のメリットをご紹介しました。

今回は、【銅箔厚を厚くする】方法のデメリットをご紹介します。

銅箔厚を厚くするメリットは、大電流経路でも比較的小さなパターン幅で設計することができることでしたが、デメリットとしてポイントになることが基板のL/Sが普通の基板より大きくなってしまうことです。

例えば、普通の銅箔厚さ35[um]の基板ではL/S=0.15[mm]/0.15[mm]で設計、製造出来た基板でも、大電流基板として銅箔厚さ300[um]の基板では、L/S=0.6[mm]/0.6[mm]まで大きくなってしまいます。

(基板を製造するメーカーごとで異なるので基板を設計する際、注意が必要な部分となります)

L/S=0.6[mm]/0.6[mm]まで大きくなってしまうと、単純に0.6[mm]×0.6[mm]以下の部品を搭載するパッドや、パッドとパッドの間隔が0.6[mm]以下のパッドが設計できなく
なりますので、使用する部品の選定が重要となってきます。

弊社で実際に設計した大電流基板の設計最中でも回路設計者が1608サイズのチップ部品を当初選定していましたが、このL/Sの制約の都合上2012サイズのチップ部品へ再選定してもらったことがあります。

また、部品選定で一番注意が必要な部品はIC部品です。

普通の信号伝送用の基板の設計と同じイメージでIC部品を選定してしまうとL/Sの制約で部品搭載用パッドの設計が出来ず、部品搭載NGとなるケースがあります。

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