GND関係

「SI」、「PI」とは | ノイズ対策.com

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「SI」、「PI」とは


今日までの電子機器の設計は、

色々過程を経て形と手法が日進月歩に変化してきました。

 

特に最近のプリント基板設計は、

ノイズ、信号品質の要求がますます高くなってきました。


特に

「SI」、「PI」という言葉はしばしば耳にするようになりました。

 

 

「SI」、「PI」とは何のことでしょうか。

 


簡単に説明して行きましょう。

 

「SI」というのは

英語の「Signal Integrity」から来て、

日本語では、信号の整合性と訳されています。

 

なにか分るような分らないような言葉で

困っている方がたくさんいると思います。


実は 

簡単にいうと「SI」は信号の品質、タイミング、
クロストークのことを言っているだけです。

 

では、

「PI」は何をいうのでしょうか。

 

まず、

語源は「Power Integrity」で、

内容はDC電源のドロップダウン、デカプリング、ノイズのことです。

 





GNDガード | ノイズ対策.com

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GNDガード


GNDガードとは、
信号線と同じ層の両隣にGNDパターンを這わせるもので、
主にクロストークを防止する目的で用います。

同じ層の両隣のGNDパターンが基本的なGNDガードですが、
信号線を投影した形で上下の層をGNDにしたものも垂直方向の
GNDガードと言います。

両隣と上下をGNDにしたものを4方向GNDガードとも呼びます。


近くにGNDパターンを置く事でGNDと電磁的な結合が強くなり、
それを飛び越える他のパターンへの結合、
つまりクロストークが減る事になります。

気をつけなければならない事ですが、
GNDガードのパターンが安定したGNDである必要があります。

GNDガード自体の多くは細いパターンになりますから、
内層のベタGNDと接続する事で安定させます。

パターン長さ20mm程度以下には1個のGNDビア接続が必要だと
思います。


信号入出力の末端近くのGNDガードが
GNDビアやICのGND端子との接続が出来ずに開放端になっている基板を
見かけます。

信号線の端っこまでGNDガードをきっちり沿わせたいために
そうしている場合があるようですが、とても良くないと思われます。

不安定なGNDガードは、GNDガード自体がクロストークを増大させる側に
なってしまう事があるようですので、
GNDビアが打てる所までのGNDガードにして、
その先は取り除いた方が良いです。

それが嫌ならGNDガードをなくしてスペースを空けただけの方が良いです。

また、開放端パターンはアンテナになるためEMC放射に悪影響する
不要物になります。



一点アース | ノイズ対策.com

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一点アース

前回、GND分離について書きました。

GND分離をすると必ず必要になってくるのが、
GNDどうしをどこかで接続する事です。

その場合には "一点アース" を実施する事がほとんどだと思います。


一点アースは、
共通インピーダンスを持たず他回路の電源電流変動に
自回路が影響されないための方法です。

しかし、
一点アースで GNDどうしを接続する場所の選定が悩みどころに
なって来ます。

回路電源の供給源、つまり電源回路ブロックの近くに向かった位置で
GND接続するのが良いと思いますが、基板上の各ブロックの配置によっては
デジタル回路からのノイズを拾いやすい地点になっているかも知れません。

また、
電源供給源が1箇所であれば良いですが、
電源系統が複雑な構造の場合には判断が難しくなります。

ですので、
一点アースの接続位置決定はかなりの難問になってしまうと思います。


一点アースは 100点を狙える方法だけれども、
少しでも間違うとすぐに赤点になってしまうものだと考えます。

それに比較して、ベタGNDでは 80点になってしまうが、
安定して 80点程度にする事が出来るという事です。

前回も書きましたが、不要輻射まで考慮するには
GND分離と一点アースは試行錯誤が必要になってしまう事が多く、
何度も基板試作する事が出来るのならば構いませんが、
試作回数を減らしたいのであれば全ベタGNDの方がベターだと思います。


次回は、GNDガードについて



GND分離 | ノイズ対策.com

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GND分離

基板上のアナログ回路とデジタル回路のGND分離について考えましょう。

デジタル回路の信号ノイズがアナログ回路に漏れ込むのを嫌って
DGND と AGND の2種にして分離する人が多いのではないでしょうか。

しかしながら、
最近の回路ではアナログ回路と言ってもCPUなどのデジタル回路と
信号がつながっている事が多いため、GNDを分離した場合には、
その配線のリターンパスが大きく阻害される事になります。

リターンパスを阻害するとコモンモードノイズを増大する事になって
不要輻射を増大させる事につながります。

アナログへの信号ノイズを防ぐか、不要輻射を低減させるか、
の2者選択になっているような形です。


A/D回路などはどうでしょう。

アナログ入力信号とデジタル出力信号、そしてコントロール信号、
GNDを分離した場合に ICの中まで含めて電流のリターンをきれいに
描けるGND分離が可能でしょうか。


分離する/しない のどちらが良いとは一概には言えません。

私は、デジタル回路ブロックから独立した回路構成のアナログ回路で
あれば GND分離する事もありますが、
デジタルGNDに漏れるノイズをパスコンなどで極力抑える事、
基板上でアナログとデジタルのブロックを物理的に離す事などで、
GND分離をしないで全ベタGND で対応する方がよりベターだと考えています。


次回は、一点アースについて



アナログ回路のGND | ノイズ対策.com

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アナログ回路のGND

今まではデジタル回路中心の話でしたが、
アナログ回路ではGNDをどのようにすれば良いでしょう。


アナログ回路では、
ほとんどの場合に信号の流れが回路に沿って進んで行きます。

デジタル回路のように縦横無尽に配線が接続されて、
いろいろな方向に信号が流れるのと違い、
一方向に信号が流れます。

GNDは信号の流れに沿って接続されるべきなので、
アナログ信号の(基板の)入り口から出口までが、
しっかり強固に接続されていくようにします。

アナログ信号はノイズに対して弱い信号なので、
GNDはインピーダンスが大きくならないために
しっかりとした太い配線が必要です。


隣接した別のアナログ回路からのノイズの漏れ込みを防ぐために、
GNDを分離する方法があります。

この場合は、分離と言っても別のGNDにするわけではなく、
アナログ信号の入り口や出口のGNDは接続されているが、
回路の部分で分けているということです。 

言い方を変えると、
同じアナログGNDではあるが、回路部分でGNDを通して
ノイズが漏れ込まないようにスリットを入れて分離している
ということになります。


アナログ信号レベルの高い回路部分は
しっかり分離する方が良いと思います。

ただ、むやみに分離してしまうと、
前述の "太いGND配線" を阻害してしまうため
分離の見極めが必要です。



次回は、GND分離について



両面基板のGND | ノイズ対策.com

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両面基板のGND

多層基板では、
GND強化のために、べたGNDを1層以上持つ場合が多いことを
前回書きました。

両面基板を選ぶ場合は、
配線層に2層程度必要だがコスト優先なので、
べたGND層をあきらめて両面基板にしているということだと思います。

ですから、
2層のうち1層をべたGNDにできることは、ほとんどありません。

でなければ、
コスト優先で片面基板を選ぶだろうからです。

コスト最優先でなければ
4層基板でべたGND層と電源層を内層に入れる基板構造を
お勧めします。

なぜならば、
両面基板では、べたGND層が無いことによって
ノイズやEMIに対してかなり貧弱な基板になるからです。


では、
両面基板のGNDはどのようにすれば良いでしょう。

できるだけ太く、できるだけ短く、
を考えて配置・配線をします。

電源も同様に配線するとなお良いと思います。

基板表面の空いたスペースはGNDべたで埋めて、
A-B面のGNDをビアでしっかり接続することも重要です。

高速の信号線が長い配線にならない様に
部品配置段階で考慮することが重要です。

べたGND層にはならないですが、
べたGND層によるインピーダンス低減やリターンパス確保の利点に
出来るだけ近づけるようにGNDを強化していくことで、
少しでもノイズに強い基板にしていくことが必要です。


次回は、アナログ回路のGND


リターンパス | ノイズ対策.com

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リターンパス

信号はGNDと近くで結合していることで安定します。

信号配線を流れる電流の発生する磁界と、
GNDをリターン経路として戻る電流の磁界とが、
きれいに順方向に結合する。

つまりは、
信号とGNDとのループが小さくなること、
リターンパス経路が近くで整っていること、
が良いことになります。

リターンパスが乱れるようなGNDのスリットやGND分離があると、
磁界が乱れてコモンモードノイズが発生しやすい状態になります。

このコモンモードノイズがEMIを悪化させる最大の要因だとも言われています。


ですから、
信号の隣の配線や隣接層をGNDにしてリターンパスを
正しく確保するような配線が優秀なプリント基板設計です。


しかし、
全ての信号でそれをやることはとうてい無理な話ですから、
高速信号を最優先して実施する事になります。

高速な信号になるほど信号配線の直下をリターン電流が
流れようとするそうです。

高速信号の隣接層がべたGND層になるように、
配線する層や全体の層構成を考える必要があります。

高速信号ばかりを扱うプリント基板では、
1層おきにGND層になっている基板も少なくはありません。



次回は、両面基板のGND


べたGND | ノイズ対策.com

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べたGND

今回からGNDについての話をします。

GNDはつまり0V電位の電源ですが、
ただそれだけではなく多くの意味と役割を持ちます。

電源や信号の全ての電圧基準であり、
信号配線のリターンパス経路にもなります。

電源ノイズをパスコンで逃がすのはGNDです。

シールドや信号ガードするのも通常はGNDを使います。


ディジタル信号主流で多層基板が多くなり、
べたGND層を1層以上持つようにするのが普通になっています。

そうする理由は、最初に挙げたようにGNDには様々な役割があるために
GNDを大きく・広く・強くしたいのです。

GNDのインピーダンスを出来るだけ小さくしたいため、
GNDを広くして縦横無尽にGND間を接続して強化します。

理由はノイズの広がりを防ぐためです。

基本的にGNDは全ての回路の基準電圧になっているのですが、
その基準となるGNDのインピーダンスが高いと、
電位差が生じて同じGND間でもノイズが見えてしまうからです。


オシロスコープのプローブGNDをどこに付けるかで
信号波形が変わってしまったと言う経験がありませんか?

超高周波だと仕方の無い面もありますが、
GNDの位置で波形が変わってしまうのはGNDインピーダンスの問題で、
GNDどうしに電位差が出来てしまっていることも理由になります。

こういったことが少しでも減るように、
べたGNDを強化する事が最近のディジタル回路基板では主流になっています。


次回は、リターンパス


低ESLパスコン | ノイズ対策.com

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低ESLパスコン

以前に話を出しましたが、コンデンサには端子部分などに
 L 成分があるため、パスコンとして使った場合の周波数特性は
V字型の特性となってしまって高周波のノイズ減衰特性を悪くしています。

その L 成分のことを ESL と言います。

ESL が小さい部品であればパスコンとして使う時の性能が
良いことになります。

そういった目的のために作られたのが、
LW逆転コンデンサや3端子コンデンサです。

LW逆転コンデンサは、
チップコンデンサの長手側が電極端子になっているもので、

 端子が広い=パターン接続部が広い= L が小さい、
 端子と端子間の距離が短い=電流距離が短い= L が小さい、

というものです。


3端子コンデンサは、
2つの電源スルー電極に接地電極を持つコンデンサで、
電源から接地への電流経路が極めて短いことと、
電流経路が4本並列に形成される効果で 
ESL を大幅に小さくすることができています。


一般的なセラミックコンデンサで
パスコンを多く取り付ける必要がある場合には、
LW逆転コンデンサでパスコン数を1/2に、
3端子コンデンサで1/4にできると言われています。


次回からは、GNDアースについて


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