プリント基板技術者のつぶやき

高速信号関係

並列終端

信号伝送先の半導体デバイス入力側で、部品を追加してインピーダンスマッチングさせる方法に並列終端があります。

通常は”終端”と言った場合には、並列終端のことを指す場合が多いです。

プリント基板パターンの特性インピーダンスは 30~80Ω程度、デバイス入力は 数100k~数MΩのインピーダンスになるため、デバイス入力端と GND間に抵抗を挿入して見かけのデバイス入力インピーダンスを下げてインピーダンスマッチングさせます。

デバイス入力のインピーダンスに並列に抵抗を入れるので並列終端と呼ばれます。

完全なインピーダンスマッチングをするには、パターンインピーダンスと同じ程度の抵抗値を挿入します。

実例として多いのが 50Ωパターンで、50Ω抵抗(50Ωは入手困難なので 51Ωとか 49.9Ωなど)で終端します。

ただし、50Ωという低抵抗で GNDに接続されるため、信号電流が多く流れて消費電力が大きくなってしまう難点があります。

インピーダンスマッチングから外れてしまいますが、信号電流と消費電力を抑えるために数100Ω程度で終端する場合もあります。これでも終端をする効果は大きいです。

電力消費を抑えるために、終端抵抗と直列にコンデンサを追加する方法もあります。

これは、AC終端や RC終端と呼ばれるものです。

コンデンサが入る事で直流電流は終端部分に流れないため電力消費が増加しませんが周波数特性を持つので少し注意が必要です。

テブナン終端という方法は、信号の立ち上がりと立ち下がりの非対称な駆動能力を緩和するため、信号-GND間の終端抵抗に加えて信号-電源間にも終端抵抗を入れる方法です。

インピーダンスは電源間に入っている抵抗がGND間に入っている抵抗との並列接続と同等になるため、抵抗の並列計算で出せます。

2つの抵抗値のバランスで非動作時のDC電位を決めることが出来る点もメリットですが、常に電源から GNDに電流が流れて電力消費することがデメリットです。

差動信号の終端でよく見かける 100Ωの抵抗も並列終端の仲間です。

差動信号の+と-信号間に終端抵抗が入る事からブリッジ終端と言われます。

並列終端は多数の入力デバイスが接続される場合の特性改善に有効です。

並列終端をしない場合に各入力デバイスからの反射信号を相殺するためには分岐等長配線にする必要があります。

これはいわゆるスター配線とも呼ばれるもので、配線分岐点の1ヶ所から全ての入力デバイスに向かって放射状に配線する方法です。

さらに分岐後は等長配線にしなくてはなりません。

この配線方法の難点は、各入力デバイスの部品配置が難しくなる事とパターン配線スペースを多く必要とする事です。

それに対して並列終端を付ける場合は、デージーチェーン配線で配線分岐しないまま順番につないで行く配線方法が可能になります。

この場合は配線スペースが少なくて済むメリットがあり、シンプルな基板配線構造にできますが、各入力デバイスへの信号タイミングがずれる事だけ注意が必要です。

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