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寄生インダクタンス

寄生インダクタンス

寄生インダクタンスとは、回路図には発生しないインダクタンスのこと。

英語ではparasitic inductanceと表記し、主には配線や導体のインダクタンスを指します。寄生インダクタンスはプリント基板や接続ケーブルなどに現れます。磁束が発生する場所は寄生インダクタンスとなり、長い電流経路ほど増えます。
しかし、複数の電流経路が存在する場合は電流の向き、距離、周波数などによって値は変化します。

寄生インダクタンスは、電源回路設計でスイッチングノードのリンギングやスパイクを発生させたり、集積回路の電源とグランド間の電圧変動の原因になったりします。

寄生インダクタンスが原因となるトラブルは様々です。
たとえば、規格の改定によって改造した製品がうまく作動しない時、寄生インダクタンスが原因ということもあります。電流の変化量が大きくなり、配線の寄生インダクタンス成分が前よりも増加し、回路に影響を及ぼしているといえます。

また、パワーエレクトロニクス製品では高電流が流れることがありますが、回路基板上の配線や接続点に存在する寄生インダクタンスが引き起こす逆起電力によって、電源回路の電圧降下が生じることがあります。
電圧降下が適切な範囲を超えると、回路やデバイスの動作が不安定化し、パフォーマンスの低下や故障の原因になる可能性があります。

寄生インダクタンスは、ESD(静電放電)保護に大きく影響します。
つまり、効果的なESD保護のためには寄生インダクタンスを最小化する必要があります。

配線長と部品配置が重要なポイントになり、保護対象素子と ESD保護用ダイオードの分岐後の配線長に注意が必要です。
直線配線を使用し、ESD保護ダイオードからGNDへのインダクタンスを最小化するといいでしょう。

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