ノイズ対策の用語集

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差動伝送

差動伝送

差動伝送は、信号線を2本使用して、また逆相の電流をお互いに流し、信号線の間の電位差を使って伝送する方式です。

外部からのノイズとは、差動伝送では信号線間の電位差をみるので、たとえ+側と-側の信号線に同じノイズが加わっても、ノイズがキャンセルされることで誤動作しにくくなるという特徴があります。

要するに、1対の信号線を使ってデータを伝送する方法のことです。対をなしている2本の信号線にはそれぞれ逆相の信号を伝送するということになります。

1本の信号線だけでデータを伝送する方式のことを、差動伝送に対して,シングルエンド伝送といいます。Serial ATA,HDMI,PCI Expressなど、現在の入力出力のインタフェースの多くは差動伝送が主となっています。

また、差動伝送はコモン・モードノイズに強いという特徴があります。逆位相の信号に対して同じコモン・モードノイズが幾重にも重なるため,受信の端で信号線対の差分を取得する時点でその影響を相殺できるからです。このほかにも,少ない信号線数でデータを伝送できるという特徴があります。理由はシングルエンド伝送に比べて信号周波数を高められるからです。

差動伝送はシングル伝送と比較すると,信号振幅を少なくできる分,データの伝送速度を高速にできるという特徴もあります。今までのシングルエンド伝送ですと,例として、0Vを「0」,3Vを「1」として,0Vから3Vまで移す必要がありました。対して差動伝送ですと小振幅にできるので,例えば2.2Vを「0」,2.4Vを「1」とすれば,遷移に必要な電位差はわずか0.24Vで済ませることが可能です。電位差が小さい分だけ,0から1への変更に必要な時間を短縮することが可能なため,信号周波数を高速にできるという利点があります。

また、差動伝送のメリットはいくつかあります。差動伝送は小振幅なので、高速に動作高速性に優れており、反射がなく波形がきれいなので動作が安定しています。シングルエンドでは信号振幅が小さくなると相対的にノイズに弱くなりますが、差動信号の伝送は、一定の条件を満たせばレシーバーにより除去できる仕組みがあるので、ノイズに強くなります。スイッチング動作を行わない状態では、電流はほとんど流れないので消費する電力は低くなり、放射ノイズも少ないです。

その他ノイズ対策に役立つ用語はこちらからご覧ください↓
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