火花放電
火花放電とは、電極間に印加する電圧がある限界を超えると発生する火花と音を伴う放電のこと。
気体放電の一つで、フラッシュオーバとも呼ばれます。火花放電は、英語でspark dischargeと表記されます。
火花放電は不連続な放電で、通常は短時間で消えます。火花放電が連続的に流れた場合、グロー放電やアーク放電になります。また、火花が飛び散る前をコロナ放電と呼びます。
火花放電は、絶縁体を超えるほどの高電圧によって生じます。
電界が強くなることで、電極間の電子が加速されて気体中の分子に衝突して電離します。そして、分子がイオン化し、新たな電子と陽イオンが発生します。これらの過程が連鎖的に繰り返されることで、絶縁体が破壊されて電極間に大電流が流れます。
その結果、大電流によって気体が加熱されて、光や熱が発生して火花となります。
自然界で見られる火花放電の代表的な例は、雷です。
他にも冬に車やドアノブを触るときにバチッと電撃を受けることがありますが、それも火花放電です。
火花放電を応用した装置には、エンジン点火プラグや静電気除去装置などがあります。さらに金属加工技術などでも火花放電は活用されています。
一方で、制御されていない火花放電は、火災や爆発の原因となることもあるので安全対策が必須です。
たとえば、すべての金属類を接地することで火花放電の発生を防ぐことが可能となります。
火花放電が起こる電圧に関する法則は、パッシェンの法則と呼ばれます。
平行な電極間で火花放電の生じる電圧は、ガス圧と電極の間隔の積の関数であると示しています。
電圧は圧力距離積が一定の範囲で最小となり、それを超えると再び上昇します。
パッシェンの法則を使うことで、火花放電が起こる条件を予測できます。
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