ノイズ対策の用語集

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終端抵抗について

終端抵抗について

終端抵抗(しゅうたんていこう)とは、コンピュータ機器・無線機器などで使用する特に周波数の高い通信ケーブルの末端に取り付ける電子部品です。
信号の不要反射を防ぐために抵抗器などによって高周波信号のエネルギーを消費させます。

英語名では「Terminator(ターミネーター)」または「Termination(ターミネーション)」と呼ばれます。
終端抵抗自体を取り付けなくても機器の利用は可能ですが、実際には機器等の動作が安定しないなど問題が発生することがあります。

終端抵抗が必要な理由については、ケーブルを伝わる電気信号を“波形”に置き換えて考えると、ケーブルの終端へ進むにつれ抵抗の値が変わると波形自体は徐々に形を変えてしまい、終端側で一部反射し、本来の伝送力を発揮できない状態になってしまいます。
即ちエネルギーを100%伝送できずに何%かのエネルギーが信号源側に戻って行く現象が起き、これを「信号の反射」と呼びます。戻るだけなら問題無いのですが、戻りの信号が遅延した波形なのでそれが元の信号に加算されて信号波形が崩れる現象が起こります。

この反射を起こさないようにするために、ケーブル(伝送路)の端に、伝送路の特性インピーダンスと等しいインピーダンス(実際は抵抗)を接続することが必要で(インピーダンスマッチングと呼びます)、この端に抵抗を接続することを、終端 するといい、接続する抵抗のことを終端抵抗 と呼びます。
またそうするためにはデバイスの入力と出力とプリント基板パターンの特性インピーダンスを正しく合わせる必要があります。

また終端の方式には「並列終端」と「直列終端」があり、並列終端は負荷デバイスの高インピーダンス入力に並列に抵抗を入れることでインピーダンス整合に近づけます。
即ち受け側のデバイスの近くに信号線と電源間および信号線とGND間に抵抗が入っているものです。
代表される並列終端はテブナン終端などがあります。

また直列終端は、信号源デバイスの低インピーダンス出力に直列に抵抗をいれることでインピーダンス整合に近づけるというものです。
即ちデバイス出力のすぐ後に抵抗が直列に入り、ダンピング抵抗と呼ばれます。

近年のノイズ対策の傾向として、直列終端が手軽なために多く使われることが多いです。
ただし、性能で考えると並列終端の方が性能が良いため、特に特性を気にする重要部にはこの「並列終端」が使われます。

その他ノイズ対策に役立つ用語はこちらからご覧ください↓
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