プリント基板技術者のつぶやき

高速信号関係

Sパラメータ

高周波電子回路や部品の特性を表す回路網パラメータであり、高精度の信号シミュレーション解析の回路特性モデルに用いられます。

散乱行列(S行列)とも呼ばれ、マトリクス表現されていて回路網の通過・反射電力特性を表わしています。

2ポートネットワーク(入力2端子,出力2端子)のSパラメータ内には S11, S22, S21, S12 の4つの特性があり、S11は入力側の反射特性、S22は出力側の反射特性、S21は入力側からの通過特性、S12は出力側からの通過特性を表します。

低周波回路では集中定数の回路部品として、抵抗=発熱、キャパシタンス=静電エネルギ、インダクタンス=電磁エネルギ で表現できますが、 高周波回路では電磁波の伝搬と反射を基本にした、反射係数、透過係数・減衰定数、伝搬遅延時間 を持つ部品として考えるようにするためにSパラメータが使われています。

Sパラメータは Touchstone形式のテキストファイルで保存される事が多く、メーカー品のコネクタなどの場合には、Sパラメータファイルをメーカーから支給してもらって信号シミュレーション解析に使う事があります。

Sパラメータファイルが無い場合はネットワークアナライザを使って部品を測定する事によってSパラメータを作り出す事ができます。

高精度の信号シミュレーションを行う時に、コネクタや線材やプリント基板パターンなどを含む受動的な部品の特性を表現する場合もSパラメータを用います。

幾つもの異なる特性が接続された経路をひとまとめにして特性表現する場合に便利で、周波数特性グラフでゲインと位相を表示して回路網の特性評価をする事もできます。

Sパラメータと同じように回路特性を表現するパラメータとしては、Zパラメータ、Yパラメータ、 hパラメータなどがありますが、高周波における回路特性のパラメータとしてはSパラメータを使うのが普通です。

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