プリント基板技術者のつぶやき

高速信号関係

差動信号

シングル信号は GNDがリターンになりますが、もう一本の信号配線で逆位相信号を送ってリターンにする方式を「差動信号」と言います。

2本の信号が逆の信号電圧を持つため、受信側で2本の信号の差電圧を取れば2倍の電圧振幅が取り出せる事になります。

また、2本の信号に同じノイズが乗った場合でも、受信側で差分をとるためにノイズが除去されます。

つまり、コモンモードノイズが相殺されるので、ノイズにとても強い信号方式ということになります。

ノイズに強く誤動作に強いことから、振幅を小さくしても問題なく伝送できるため、LVDS に代表されるように 0.3Vp-pと低電圧振幅にしてあり、消費電力がかなり小さくできます。

2本の信号が逆位相で結合して磁束が打ち消されるため高調波による EMIノイズが低減されます。

小振幅やコモンモードノイズ相殺も EMIノイズ低減に大きく役立っています。

メリットだらけなので高周波化に多く使われている信号方式ですが、2本の信号が常に揃っている必要があるため、プリント基板上では2本の配線長を等長配線することはあたりまえですが、配線間隔をシビアに一定にしてインピーダンスコントロールを行うなどをします。

かなり高周波の場合には、配線カーブがあると内輪差で位相がずれるので位相ずれを早い段階で戻したり、ビアを通らないようにして特性を確保する必要があります。

差動信号を使った信号方式には USB, SATA, PCI-Express, IEEE1394, HDMI などがあります。

次回は、エンファシスについて

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